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開発室-プロジェクトPROJECT

リサイクル素材・
植物由来素材の
活用を広げる研究開発

開発室SBU 開発室

01

炭素繊維強化プラスチック
(CFRP)の
リサイクルに挑戦

豊通マテックスの開発室では、原材料の調達から販売ルートの整備まで、広い意味での「開発」を行っています。製品自体の開発では商社として築き上げてきたグローバルなネットワークを活かし、外部のさまざまなメーカーと協力して進めています。現在、取り組んでいることの一つはCFRPのリサイクルです。CFRPは航空機やスポーツ用品(ゴルフシャフトなど)に使用されている素材で、最近では水素自動車の電池タンクにも使われているものです。

炭素繊維は金属の代替となる強度を持ちながら軽量化も可能であり、省エネや脱炭素につながる素材です。その一方、これまでCFRPのリサイクルはほとんど行われていませんでした。しかしながら、カーボンニュートラルが課題となる中で「CFRPをリサイクルしよう」という動きが活発になってきています。CFRPリサイクルの取り組みは、廃棄による環境への影響を軽減することにもつながります。そのような社会課題の解決のためにも、早い段階で仕組みを確立していく考えです。

02

リサイクル品開発は注力テーマ

CFRPのリサイクル方法としては、薬品による分解や熱による分解など、いくつかの方法があります。私たちがパートナー企業と共に進めている方法では、バージン品(リサイクル材を含まない、新品の素材のみで製造されたもの)に比べてCO2の排出を大幅に削減できることがわかっており、カーボンニュートラルに大きく貢献できるものとなっています。

現在はCFRPリサイクルの確立に向けて、リサイクル設備の設計を進めているところです。その後は量産に向けて品質や規制をクリアし、スケールアップの実証試験を行い、プラントを建設していきます。また、廃材の調達先の確保やマーケティングも並行して進めています。実証はまず国内で行いますが、先々は海外にも展開していく計画です。

開発室ではCFRP以外に、紙製食品容器のリサイクルにも取り組んでおり、将来的には家庭ゴミも含めたリサイクルの仕組みを構築していきたいと考えています。

03

植物由来の新しい
ポリ乳酸コンパウンド

開発室ではポリ乳酸を使った植物性の樹脂素材を開発しています。乳酸はもともと体内に存在する成分であり、人体にとって安全という特徴があります。しかし、乳酸を重合したポリ乳酸は強度と生分解性の両立が難しく、価格も高いため、使いづらいというデメリットも。そこで、私たちはそれを植物性素材と混ぜてコンパウンド化することにより、成型性を高めようとしています。用途としては、生分解性の樹脂製食品容器やカトラリーなどを想定しています。

現在国内で使われている樹脂製の食品容器やカトラリーなどは石油由来のものがほとんど。こうしたものは海へ流れていってしまうこともあり、海洋プラスチックの問題を引き起こします。一部、紙製に切り替える動きもありますが、コストが高く使いにくいものになってしまっています。ポリ乳酸のコンパウンドは、強度と生分解性を兼ね備え、価格も抑えられるため、環境問題の解決に貢献できると考えています。

開発室では、その時代、その時々の社会課題を解決するため、社内・社外と協力して常に新しいソリューションの開発に取り組んでいます。私たちはより良い社会の実現につながる技術をこれからも探求し続けます。